スポーツ障害

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スポーツ障害にはどのようなものがあるか

サッカー、野球、などの競技別の障害、あるいは共通した障害

様々なスポーツ競技に共通した障害として、腰痛、打撲、捻挫(手、膝、足、関節等)あどがあります。

陸上競技
陸上競技(短・長距離、跳躍)における筋損傷(肉離れ)、疲労骨折。
ゴルフ
ゴルフなどは肘、手のの障害。
水泳
水泳における肩障害。
野球、バトミントン、やり投げなど
野球、バトミントン、やり投げなど投てき種目における肩、肘の損傷。
サッカー、ラグビー、バスケット、スキー、スノーボードなど
サッカー、ラグビー、バスケット、スキー、スノーボードなどでは肘関節、膝、手指の損傷。
ヨット、ウィンドサーフィンといった水上スポーツ
ヨット、ウィンドサーフィンといった水上スポーツでは溺水やブーム、ボートなどによる顔面、肋骨骨折。
格闘技、器械体操
格闘技、器械体操で多い頭部外傷、頚椎損傷、関節脱臼、靭帯損傷。
マラソン、ビーチバレー、スキー
マラソン、ビーチバレー、スキーに代表される屋外スポーツでの脱水や日焼け(紫外線障害)など。

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その治療(膝、肘靭帯損傷などの)

発症した障害の治療をするにあたり、出来れば医師自身がその競技に精通していることが望ましいです。基本として受傷後出来るだけ早期にRICE(安静、冷却、圧迫、挙上)を行う必要があります。その際の注意として保冷剤は極力避けて下さい。氷水による冷却が最も効率が良く、また凍瘡や凍傷の危険も少ないです。(氷がない時は冷湿布の使用も可能。)
また、圧迫をする時には血行を傷害しないように十分注意をして下さい。むやみにテーピングテープをグルグル巻きにする事は危険です。施行後は末梢循環をしばしばチェックする必要があります。その後、医療機関での諸検査(X−P、MRIなど)の結果で保存的な治療が可能か観血的治療の適応かを決定します。(損傷の程度、目標とする試合までの期間などを考慮して) 脊椎損傷、骨折などを除き、スポーツ障害で多い関節内損傷の大部分が関節鏡の発達により関節鏡視下で可能となってきています。

関節鏡を含め観血的治療がbetterであるかどうか(靭帯損傷に対する保存的治療が望ましいか再建術の適応か等)についてはスポーツ医学に精通した医師による正確な診断、さらに当事者が希望するレベル(学生か、プロフェッシヨナルか、レクレーションレベルか)に応じて決定されます。
保存的治療には固定(テーピングなど)、装具療法などがありますが、注意すべきは軟部組織の損傷(筋挫傷、捻挫など)を軽視し、不十分な固定および期間による早期復帰での治癒の遷延化です。
装具療法は、選手の能力や競技に合わせた用具(靴も含め)の適切なものの使用、骨格の異常、障害に合わせた足底装具(アーチサポートなど)の使用、又関節の保護、筋力を有効に発揮するための使用により、障害の防止、疼痛の軽減、運動能力の増加を図れることが多い為、適切な装具を選択できるスポーツ専門整形外科医にかかることが重要です。
また最近よく行われているのは野球など投球時の肩インピンジメント障害に対するヒアルロン酸の関節内注射があります。(関節軟骨の損傷に有効と言われている。)

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関節鏡のメリット 早期復帰のリハビリについて

かつては、メスを入れることで競技者としての生命が終わると考えていた指導者が多く、代替医療(整骨院など)への受診が多く見られていましたが、現在では一部の競技の世界を除いて観血的治療への理解が得られつつあります。特に関節鏡は様々なメリットがあり膝関節、肩関節の領域ではかなり広く行われています。
肘など他の関節でも関節鏡が有効となりつつあります。
メリットとしては大きな切開を必要とせず(一か所で5mm程度がほとんど)軟部組織(筋肉、靭帯など)の損傷が少なく、術後の痛みも軽度である為早期のリハビリが可能となり競技への復帰も早期に期待できます。
デメリットとしては、視野が狭く操作に熟練を要し副損傷(軟骨損傷、病変部の見逃し、不十分な処置など)を避ける必要があります。
術前術後のリハビリは、損傷部位の回復を妨げない範囲でストレッチ、筋肉トレーニングを早期に開始します。

いずれの治療(保存的、観血的)においても目標とする試合スケジュールに合わせて焦らずに行う事です。
最も危険なのは、焦りであり回復が不十分なときに自己判断で過剰なトレーニングを行ってしまうことを絶対に避けるべきであります。不安が生じた時は治療者(術者、トレーナー、理学療法士など)に十分相談し信頼して行うことです。

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今後の展望

現在効果について十分に確立されていないものもありますが、具体的に次のようなものが行われています。

1.高圧酸素療法
日韓ワールドカップの時、イングランドの選手が、本大会前に足骨の骨折の早期治癒に使用したことで有名になりました。筋損傷、靭帯損傷(再建術後も含め)などに対する治療法として注目されています。痛みに対する効果はまだはっきりしませんが、腫脹軽減、組織の修復促進に対して効果があると思われ、治療効果、安全生(治療時間、回数)についてまだまだ今後検討が必要ではあります。
2.加圧トレーニング
最近注目されているトレーニングです。軽度の負荷で短期間に筋力の増強を得られるといわれています。加圧の程度、時間がポイントであり十分な知識のある指導者の下で正しく行うこと。我流(自己流)で行うことは非常に危険であることを認識して下さい。
3.超音波骨折治療
骨癒合期間の短縮が有効であることが確立している治療法です。野球選手が手骨の骨折に使用した等多くの例があります。

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予防医学としてのスポーツトレーニング

出来れば障害を起こしてからの治療でなく起こさないための指導、障害の早期発見治療が最も重要です。
しばしば犯し易いのが熟練過程で、十分な予防策なしで過度のレベルを行うことであり注意が必要です。
そのためにもヘルスチェックを決まった項目で(シートなどを考案し)定期的に行うことが望まれます。(アメリカの大リーガーで行われているピッチャーの投球制限など)

(1)適切な水分補給
戦前の誤った軍事教練が尾を引いているものに水分摂取の制限があります。正しい水分補給はプレイの前より行う必要があります。プレー中の補給はのどが渇く前に早めに行って下さい。(規則的にとること)小・中・高の学生の猛暑の中での競技中飲水タイム(ウォーターブレイク)は事故防止に非常に有効です。(出来れば5〜15°Cの糖濃度5%以下のスポーツドリンクなど。)
(2)ストレッチング
筋肉を伸ばすという意識でなく、反対側の筋肉をゆっくり縮める、緩めるという意識をもってすることです。サッカーが盛んになり groin pain (股関節痛の一つ)が増加しており股関節のストレッチの重要性や、野球のピッチャーにおける上肢の負担をかけずパフォーマンスの向上のための股関節の柔軟度の重要性、そのための大腿四頭筋やハムストリングのタイトネスの改善により正しいフォームでの投球が可能となります。プロの一流投手の股関節の高い柔軟度は必須。又、バッティングを時々反対に振ってみたり、ランニングのコースを逆に走り偏足の下肢の負担を避けること(歩道などは道路側に傾斜している)など科学的根拠に伴う練習を行うことが重要です。
(3)筋力トレーニング
競技の補強すべき筋肉に対して、正しいやり方で行います。肩腱板(インナーマッスル)に対する際も脇を必ず閉じて行うなど原則を守って行わないと全く意味がなくなります。ペンチプレスは人気のあるジムの訓練機ですが、肩の亜脱臼障害などを引き起こしやすいので監視者のもと能力以上に無理をしない事です。最近ほとんど見かけなくなりましたが膝伸展位や、両下肢の進展挙上で行う誤った腹筋やペナルティ(罰)としてのウサギ跳びなどは決して行ってはいけません。
(4)靴の管理
靴を履く競技では日々使用する練習場や競技の特性で特徴的な変形をきたします。
時々靴底を観察し、変形をきたしていたら補修をしましょう。又偏平足などがある時はアーチサポートなどを作成し下肢の障害の予防を図って下さい。(腸脛靭帯炎、有痛性外脛骨他)
(5)テーピング
本来は障害の予防としてのものですが、障害後の固定法として誤って理解している競技者がいます。競技に合わせた正確なテーピングを行って下さい。競技の前に施行し競技後は速やかに除去するものです。また固定力は思った程強固でないことを理解し過信しないよう注意を払って下さい。(いずれにせよ熟練したトレーナーが行うことが望ましい)
(6)PNF、AKA
以前より注目されている運動器のコンディショニング法です。
PNFとぱ固有受容性神経筋促通法”と言われ感覚受容器を刺激することによって神経や筋の働きを高め、身体機能を高めるテクニックです。
スポーツウォーミングアップ、スポーツ障害の治療と予防、スポーツコンディショニング、関節の可動範囲を大きくする、身体運動時の筋・腱・靭帯などの障害を予防、主働筋と桔抗筋による筋活動をスムーズに促す、神経と筋の働きをなめらかにして、神経伝達速度をはやめる、リラクゼーション効果などがあります。
AKAは“関節運動学的アプローチで関節運動学に基づき、関節の遊び、関節面の滑り、回転、回旋などの関節包内運動の異常を治療する方法です。
これらは熟練した術者によって行われて効果がみられるものなので確認しておく必要があります。

一般の競技者で大切なことは、年齢に合わせたトレーニングを行うことです。小学生によく見られる勝負にこだわりすぎた特定の選手起用によるオーバーユースを避ける。中学・高校では挫折をさせない練習が必要です。(過度の練習による致命的な障害の惹起、回復に配慮した練習計画をたてて下さい。持久力は中学生くらいから、筋肉トレーニングは高校生くらいから始めるのが望ましいです。)若年者の筋トレ過剰による障害(特に腰椎分離症)を防ぐために、関係者(監督、コーチ、トレーナー、保護者など)への啓蒙が必要です。
また、成長期は個人差が大きく、発達に合わせた指導を行うことが必要です。個々の努力を認め、励ましと達成した目標に対して賞賛することで更なる向上がみられるようになります。練習計画では回復のない練習を避けること。やり過ぎるよりやり足りないくらいの方が良いと言えます。オーバートレーニングでは結果が出ません。十分に回復してこそ、十分なパフォーマンスが可能なのです。一週間の練習、週単位の練習にメリハリをつけることが重要です。

最近、注意すべきは“ドーピング”です。現在、全国大会レベルではすべての競技で既に開始されているので、知らないでは済まされません。インターネットなどで最新の情報(禁止薬物)を入手していくことが必要です。
生命にかかわるものの一つとして“心臓震盪”があります。野球のボール、格闘技の蹴りなどによる胸部への強い衝撃で心房細動を起こすことで時に見られます。小学生から高校生までの肋骨や胸骨がやわらかい時期に起こり、今までは現場での十分な治療ができませんでしたが、携帯の自動体外除細動器(AED)が出現し救命が可能となりました。可能性のある競技では出来るだけ持参することをお勧めします。

最後に、今後の課題として少子化と学校指導者の不足があります。現在進んでいる外部指導者の導入は有効な試みの一つですが、正確なスポーツ医学の知識が欠如し、旧来の経験に頼る独りよがりな指導者が時に見られるのが残念です。
近年、徐々に中高年に普及しているニュースポーツ(インディアカ、グランドゴルフ、ゲートボールなど)はスポーツ障害が起きにくい点で薦めやすいです。

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